インプラント治療には素材としてチタンが使われています。
現在も技術の進歩が止まらないインプラント治療において、素材に関しては今後もチタン以上の適材は出てこないと言っても過言ではないでしょう。
チタンがそれほどまでに特別な性質を持つことが分かったのは、偶然だと言われています。
1952年、スウェーデンのブローネマルク博士という人物が、大学の医学部で骨髄の役割を研究していました。
博士はひとつの実験を終えて、それまでウサギのすねに埋め込んでいだ顕微鏡用の器具を回収しようとしました。
ところが器具はあまりにも骨と密接に結合し、とても取り出せるような状態ではなくなっていたのです。
その器具こそが、チタン製でした。
博士はそれまでにも同じような実験を行っていましたが、他の金属類でこのような状態になることはありませんでした。
このことに博士は大いに興味を持ち、ついにはチタンが人体に拒否反応を起こさせず、強固に結合する事を突き止めたのです。
この偶然の発見はまさに奇跡でしょう。
インプラント治療のみならず、多くの医療技術を支える素晴らしい発見となりました。